長野県須坂東高等学校

学校長挨拶

 青い空に桜のピンクが映え、新緑が鮮やかな4月はじめ、新入生66名を迎えて令和8年度の須坂東高校がスタートしました。
皆様には、日頃から本校教育への御理解と御協力に心より感謝申し上げます。
 長野県は、令和5年度から令和9年度までの5年間における県の教育振興に関する基本的な計画として第4次長野県教育振興基本計画を策定し、これからの長野県教育が目指す姿を「個人と社会のウェルビーイングの実現」と定めました。
 「ウェルビーイング」とは、「身体的・精神的・社会的に良い状態 = 幸福であること」をいい、目先の幸せだけではなく、将来にわたる持続的・継続的な幸せも含むものです。
 このうち、「個人のウェルビーイング」は、一人ひとりの人権や個性が尊重される中で、自己肯定感や自己有用感、生きがいや幸福を実感しながら、自分らしく生きることにより実現し、「社会のウェルビーイング」は、一人ひとりが身につけた知識や技能を最大限活用し、「多様」な他者を尊重し、「協働」しながら持続可能な社会を主体的に創り上げていくことにより実現する、としています。
 さて、上記の中にはいくつかの重要なキーワードが含まれていますが、その中から「多様」と「協働」の2語についてお話をしたいと思います。
 人はそれぞれ個性や特性があり、同じ集団の中にいてもみんな違います。例えば須坂東高校という同じ集団の中にいても、それぞれ育った環境は違います。また、病気と闘いながら登校している生徒や障がいのある生徒もいます。性格や 長所、得意なことや興味・関心なども違います。
 「多様」な複数人が集まってクラスや学年、学校という集団を作っているわけですから、いつでもみんなが同じ思いや考えでひとつになれたり、いつでも同じ方向を向いて一致団結したりすることができるわけではありません。思いや意見で対立することもあるでしょう。しかしその対立は、相手の存在自体を否定するものではありません。けっして、そうであってはならないものです。
 集団の中の一人ひとりが、同じ[目標(ゴール)の達成 = 課題の解決]に向けて協力して取り組むことを「協働」といいます。みんな違って当たり前ということを理解し、自分とは違う他者の存在を認め大切にすること、つまり「多様性」を尊重しながら、お互いに歩み寄りウィンウィンになれるところを探り、それぞれの長所や得意なことを生かしながら「協働」することが、これからの時代は今以上に重視されてきます。
 なぜなら、これから先の未来は、例えばAIが人々の生活や仕事にどれほど深く関わってくるのか、また、人口減少・少子高齢化が進み、社会保障や年金、介護などはどうなるのか、予測が難しくとても不安定で不確実です。一人ひとりが主体的に考えて行動することは大切ですが、一人では限界があります。「協働」して課題解決に当たることがとても重要であり、「協働」できる力はこれからの時代を生きていく上でとても貴重な能力のひとつと言えます。
 本校は令和11年度に総合技術高校と統合し新しい普通科(未来デザイン科)となり、探究学習を軸に「自分の未来をデザインできる生徒」の育成を目指します。この新しい普通科にもつながるよう、私たち須坂東高校では「多様性を尊重できる人」、そして「協働できる人」を育てていきたいと考えています。
 本年度も、本校教育に対する御協力の程どうぞよろしくお願いいたします。

令和8年4月吉日
学校長 大倉 宏夫